1997年頃、大学院を修了して非常勤講師の頃の作品で、海外のマンガ展に応募したものです。当時、牧野圭一先生の補佐として同じクラスを受け持っており、学生に描いているところを見せておられた牧野先生。その作品は海外の展覧会に投稿されるものでした。その横で私自身も作品を描き、投稿していた訳ですが、全く入選はしませんでした…。評価はされずとも、京都国際マンガ展の裏方として、海外から寄せられたプロの作品を手に取って観つつ、隣でサラサラと付けペンで漫画を量産しておられた牧野先生を見ていたのが自身の栄養になっていたと思います。入選せずとも、個人的には自分の表現が形成された時期なのかな、と今になって思います。(この当時、ウィンザー&ニュートンの固形水彩絵の具に感動し、嬉々として使っていました。)
マンガ公募展で受賞・入選した作品です。以前、洋画家の先生から「人生の中で波が来る時期がある、その時機を逸しないよう備えておきなさい」という内容の助言を頂いた事がある。私の第一の波はちょうど1999年頃の受賞ラッシュ、そして2007年の読売新聞国際漫画大賞近藤日出造賞受賞の年だった。現在は、次の波に備えて今も頑張っています…。
2003年に制作したパソコンを題材にした漫画連作です。下描きをせずに付けペンで描き、パソコンに取り込んでシアン1色で着色しました。下描きをガッツリと描いてペン入れした絵の「硬さ」をなんとか解消したいとあがいていた初期の頃です。また、この頃は大変パソコンに興味を持っていた時期でした。そんなパソコンのデジタルな面と、現実世界をクルッとかき混ぜてみたらどうなるかな?という視点で描いてみました。
国内のマンガ公募展に投稿するも、入選しなかった作品です。1999年の受賞ラッシュ以降、弛まず毎年、主に読売新聞国際漫画大賞には作品を投稿していましたが、残念ながら入選には至りませんでしたが…。今になって見返してみると、現在に続くアイデアの萌芽が垣間見えています。すぐには開花せずとも、取り組み続けていくことで時が経ってから花をつけることもあるもんだな、としみじみ思います。