大川上見良布神社天井絵

アンパンマンのやなせたかし先生の故郷四国・高知にあります大川上美良布神社の社務所改築の際、日本漫画家協会からの依頼で天井絵の酉を担当させて頂きました。創建は今から約1500年前という大変歴史のある神社です。

※ 2025/11/21 絵の解説部分を追記しました。

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◆一コマ漫画と天井絵、どうする?

 このお話を頂いた際、天井絵にどう一コマ漫画を落とし込むか、考えた。鶏で色々と調べていると、四国には南国市原産の鶏で、国の特別天然記念物に指定されている大変希少な鶏・「長尾鶏(おながどり)」という種があることが分かった。(斜体太字部分は南国市観光協会HPより引用)
 神社の建物の天井絵なので、鶏冠を日の丸の扇に見立てたらアイデアになると思いついた。それを土佐の長尾鶏で描けば四国という特色も出せて好都合だな、とアイデアが決まった。日の丸の扇も、白地に赤だけでは無く赤地に金色のものもあるから、鶏の鶏冠にもぴったりだ。

◆ちばてつや先生の絵がSNSに出ていて… こぼれ話

 この絵の制作途中、天井絵の玄武を担当されていたちばてつや先生の作品写真をSNSで拝見した。玄武本体はすでに着色もされていて、これで完成なのかなと思った。ちば先生のその絵は、背景を塗っておられず木地のままだったのだ。
 ちば先生が背景を塗っておられないのであれば、1人背景に色があると足並みを乱してしまうな、と思った私は、背景を塗らない方向で仕上げようと決めた。その結果がこの絵になるが、竣工式に出席して他の皆さんの絵を観てみたら、6割方の先生が背景もしっかり塗られていた…。複数で制作するのって難しいな、と感じた皐月の一日だった。
 しかし、背景がなくても成立するように考えて描いたので、これはこれで力強い画面構成になっていると思っている(自画自賛!)

◆和の画材で描いた

 神社というとで、画材も全て和の画材にした。線は和筆に墨、着色はドーサを下地に塗って、その上に顔彩を膠で溶いたものを使用。このお話を頂いて、製作の前に四国に旅行に行く機会があったので、こっそりとこの神社も下見をした。そして四国といえば土佐硯も有名だ。高価なものではなかったが、その時に土佐硯も購入した。制作では墨をこの土佐硯ですっている。

◆コッソリ署名を入れる

 他の方の作品にはしっかりと署名が描かれているので、結果的にはそこまで気を遣うことは無かったが、実はコッソリと署名を書いている。上にも写真を揚げたが、尾の先端(画面左下端)部分の墨線が太くなっている箇所に、少し濃いめの薄墨で「たなべたい」と入っている。もし現場に実際に行かれた方は、そこら辺をよく観てみて下さい。
 あと天井に設置されたら全く見えないが、板の裏面には奉納、年月日、名前を書いている。年月日は平成と皇紀を併記した。ここは施工した大工さんと神社の方しか知らないだろうな…。

◆現場へGO

 緑豊かな山里の趣のある高知県香美市香北町。香美市立やなせたかし記念館アンパンマンミュージアムも道を挟んで向かいにあります。お近くにおいでの際は一度覗いてみて下さい。

ご注意:社務所の天井絵を拝観される場合は、事前に神社までご連絡下さい。

大川上美良布神社(おおかわかみびらふじんじゃ)

公式サイト ▶コチラ
住所:高知県香美市香北町韮生野243
電話:0887-59-2878

たなべたい記

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