【年頭のご挨拶】
遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます!本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
◎今年の画題
今年は丑年ということで、牛車を描いてみた。歳末に車を運転していてコインパーキングが眼に入った。コインパーキングに牛車が止まっていたら面白いかな?と思い、年賀状のアイデアとして書き留めた。そこからの発展で牛車の屋形(人が乗る部分)から、最近街中でよく目にする、バイクや自転車に乗る人が背負う例の黒い箱を連想した。牛車の後ろ部分には、それと同じ色合いで「卯婆飯津」と書いた。お分かり頂けるだろうか?…でも牛車のスピードで運んでいたら、冷めるだろうな…。(敢えて答えは書きません。どうぞお考え下さい。笑)
◎和筆は素晴らしい
最近は、色紙に筆と墨で年賀状の原画を描いている。この絵も鳩居堂の即妙筆(大)一本で描いている。鳩居堂の即妙筆は、先端の命毛がとても長く、先端だけを上手く使うと、とても細い線がひける。付けペンもずっと使ってきて、「線」というものを探求しているが、和筆にはかなわないと思う。一本の筆でここまで色々な表情が出せるなんて、本当に素晴らしい。
◎絵は下描きをしない
筆の線をのびのび表現するには、下描きをしないことだ。下描きがあると、どうしてもなぞってしまおうと思い、線が死んでしまう。だから自分の作品では下描きはしない。最近ようやく思うように描くことが出来るようになってきた。…といっても、描く前に構想は練るし、ラフスケッチもする。落書き帳に何度も小下絵を描いてイメージを掴む。その後大下絵に近いラフスケッチを描いたら、いざ本番の紙に描いてみる。一発で出来る事はなく、毎年何枚も失敗をしてからようやく仕上がる。今年は5枚失敗した。失敗した紙には申し訳ないが、その絵の微細な感覚を掴み取るためには致し方ない。その失敗があって完成作品が活きてくる訳だから無駄ではないのだ。
◎今年からは歴史をテーマにした絵に注力
以前からイラストの仕事として、遺跡などの案内板に載せる絵を描かせて頂いてきた。学生の頃からお世話になっている方からの仕事である。昨年は、6年間携わってきた「潜入!天才科学者の実験室」全四巻が刊行された。特に去年一年間はその仕事にかかりっきりになっていたといっても過言ではない。これからも漫画や絵本を出版していきたいと強く思っているが、日々の糧を得る仕事も必要だ。最近は学校や似顔絵などから、漫画、イラスト、デザインの方へ仕事がシフトしていっているように感じている。実験室の絵本を描く前から、昔の人びとの暮らしや風景というものにとても興味があった。そういう意味で遺跡関連の絵の仕事を頂けるのはとても有り難いと思っている。そのためには昔の着物や髪型などをひっくるめた風俗をもっと勉強していかねばならない。現在も一つそういった仕事が進行中で、そのために勉強もしている。今回の画題の牛車やそれをひく人、築地塀など色々と調べた。それで年賀の挨拶が遅れた次第です。スミマセン。
◎今年こそホームページももっと充実させる
去年は実験室の絵本にかかりっきりで、家の内外も荒れ放題になっていた。昨年末から少しずつ仕事場から整頓を始めている。そんな中で懸案なのがこのホームページ。もっと充実をさせていきたい。その中で以前に手掛けた遺跡の掲示板の絵なども地図付きで紹介していこうと思っている。なかなか更新出来ず心苦しいですが、今後ともどうぞよろしくお願い致します。
令和3(2021)年1月6日(水)
たなべたい拝