佐藤文隆先生ご逝去

この絵本の編著者、佐藤文隆先生が今年9月に逝去された。逝去される数日前まで、普通に展覧会のことでメールのやりとりをしていただけに、突然の訃報に只々驚き、残念でならない。
この絵本の狂言回しであるDr.シュガーとCOBONちゃん(上の画像の博士とロボット)。台本では、名前はただの博士だった。名前をどうしようとなった際に、佐藤先生の読みが「さとう」だから「シュガーと名付けたら?」と著者の皆さん(佐藤先生・くさばよしみさん)や出版社に提案した訳だが、そんな悪戯も大らかに許して頂いた。
一コマ漫画もご自身で描かれたりするなど、私の専門分野にもご理解を頂いていて、この絵本で一緒に仕事が出来たのは本当に光栄だった。発刊時期がちょうど中国武漢に端を発するCOVID-19が猛威をふるっていた時期とも重なり、絵を仕上げた後に集まってお話しなどがあまり出来なかったのが残念だった。改めて、佐藤先生のご冥福を心よりお祈りします。
今回は第2巻の原画を中心に展示します

トップページでもお伝えしている通り、昨年5月に引き続き絵本原画展を開催します。
今回は全4巻中の第2巻の原画が中心の展示となる。
第2巻は「生き物はなぜ生まれた?」をテーマに5つの章で構成されていて、各章の内容は下述の通り。
第1章は「生き物がいっぱい」で、植物オタクのリンネの実験室を、第2章は「水と空気と太陽で生きている」で、教え上手な実験オタクのリービヒの実験室を、第3章は「体は化学工場だ」で、初めて人体を解剖したハーベイの実験室、第4章は「命はこうして受けつがれる」で、DNAでノーベル賞を受賞したワトソンとクリックの実験室を、第5章は「みんなで生きる」で、探検大好き人類学者の今西錦司の実験室だ(今西錦司さんは京都のご出身である)。各章を俯瞰してみてみると、編著者・佐藤文隆先生の体系的な組み立てがよく伝わってくる。下記はDMから抜粋した5つの実験室の画像(部分)。

時代も国も違う中、一つ一つの道具もしっかりと調べて描いている。実は調査・検索の沼にドップリとはまってしまったのが、この第2巻。絵を描く前の調べものに時間をかけ過ぎて、幾度となく著者のくさばさんから催促が届いていた。そんな中でネットを駆使して奇跡のような発見もあった。
その辺りの秘められたお話しは、今回、二度開催される「絵本裏話トークSHOW」(事前申込み制・定員15名様・有料330円[税込]・実験ノート付き)にて披露したいと思う。絵本になった表面には出てこない、あんななコトやこんなコト、是非聞きに来て下さい。今回は、展覧会の公式グッズである実験ノート(価格:¥330-)がついてきます。…つまり、実験ノートを買って頂くと無料でお話しが聞ける訳です。著者のくさばさんからは絵になる前のお話しが、私からは画材の話や、絵作りのあれこれを、資料や映像などを含めてご紹介!
お申し込みは▶コチラか、↓下のバナー画像から遷移する特設ページからお願いします!
