【御礼】たなべたい個展・絵本「潜入!天才科学者の実験室」原画展②は無事終了しました!

◆御礼!

 お陰様で、10月25日(土)から11月2日(日)まで京都岡崎のートスペース柚YOUで開催された、たなべたい個展・絵本「潜入!天才科学者の実験室」原画展②も無事終了した。作品をご覧下さった皆様、展覧会を応援して下さった皆様、SNSで気にかけて下さった皆様、本当に有り難うございました。そして、個人の展覧会にも関わらず名義後援を快諾して下さり、また展示用の画材をご提供下さった、特種東海製紙株式会社株式会社中里ホルベイン画材株式会社【五十音順】、発表の機会を与えて下さったアートスペース柚YOUの豊田成子様に心より厚く御礼申し上げます。

アートスペース柚YOUの入り口と、今回制作した大きいパネル

◆毎年原画展を開催するなんて新味に欠ける?…いえいえ!

 この絵本はシリーズもので4巻出ている。昨年が第1巻の原画を中心に展示し、今年は第2巻の原画を中心に展示をした。毎年1巻ずつの原画展を開催するなんて新味に欠けるのでは?と思われる方もいらっしゃるかと思う。編著者の故・佐藤文隆先生が、一般の学生に科学の歴史を教える際に構築されたカリキュラムを活かして作られたこの絵本。各巻にそれぞれ意味がある。第1巻は「宇宙にはじまりはある?」、第2巻は「生き物はなぜ生まれた?」、第3巻は「「もの」は何からできている?」、第4巻は「世紀の発明はここで生まれた!」である。描かれている内容も違うし、扱う科学者や実験の種類も各巻によって違う。一つとして同じ様な絵柄の実験室を描いてはいない。色んな時代の色んな国の科学者の実験室だ。出てくるもの一つ一つまで調べて描いたのには、苦労も多かった。今回はそんな表には出てこない裏話をトークSHOWで披露した。そして実際に原画をご覧頂いた皆様は、こちらの説明にも興味を持って下さり、楽しんで拝見されているご様子。絵本の内容自体が最近の流行り廃りではなく、多様な時代の科学者が連綿と紡ぎ発見してきた業績と人を紹介する、ある意味普遍的な内容であるから、息長く読んで頂ける本だと僭越ながら自負している。まだまだ重版にはなりそうに無いが、私が老人になる頃にもまだまだ読んで頂ける本になるだろう!と心の中では信じている。

◆新たな試み、画材メーカー様による名義後援

 以前の投稿でも書いたように、新たな試みとしての名義後援も、会場で画材の説明を聞いて下さった方には興味を持って頂けたと思っている。僭越ながら日本画家の方に隈取筆の説明をした際にも、「今まで自分で考えていた隈取筆への認識を新たにした」と感想を頂いた。普通は表には出てこないが、表現技法も何がベストなのかを都度熟考して描いている。そんな苦労話ともいえる裏側も発信しないと伝わらないが、話を聞いて下さった方は一様に驚き画材に興味を持って下さった。

 上掲の写真、ページ左から順に特種東海製紙株式会社様製のいづみN紙株式会社中里様製の極品隈取筆ホルベイン画材株式会社様製のアーチスト・パンカラー。今回の絵本制作で、これらの画材が一つ欠けても、私が思い描いた表現は為し得なかった。本当に感謝申し上げます。

◆嬉しい出来事その1:学校での出来事

 非常勤講師をしている学校で、来年4月に入学してくる学生への入学前スクーリング授業としてデッサンを教えた。学校などでは昨今、本名でないといけないので、ペンネームのたなべたいは自己紹介の時に述べた。講義後、一人の学生が近づいてきて質問があった。デッサンに関することかな?と思ったら、「先生は、ダーウィンの絵が表紙の絵本描いてますか?」と聞かれた。それは正にこの絵本の第1巻だ。自分で描いておいていうのもなんだが、そんなに広く知られているとは夢にも思っていない身とすれば、突然投げかけられたその質問にただただ驚いた。「なんで知ってるん?!」と思わず聞き返してみると、「中学の図書館に本があって、私はこの絵本が大好きだ」という旨の返事があった。この絵本の出版社である汐文社は、まさしく図書館向けの本を出版する会社である。その本道というか、本当に学校の図書館に置いていてくれて、それを熱心に読んでくれている生徒がいたのだ!そんな感想は初めての経験だったので、本当に嬉しかった。有り難うございます!!

◆嬉しい出来事その2:画廊にて

 展覧会終盤の夕方、Hallo Kitty展の紙袋を持ったお洒落な女性2人組が突然入ってこられた。ちょうど画廊は京都市左京区岡崎の文化エリアにあり、近くには京都市の京セラ美術館や京都国立近代美術館、ロームシアター京都やみやこめっせに京都市動物園などがある。ちょうど今、京セラ美術館でHallo Kitty展 -わたしが変わるとキティも変わる- が開催されている。その帰り道に寄って下さったんだな、とはすぐ分かったが、私の個展はお洒落な女性が入ってくるような展覧会では無いぞ、と私自身勝手に思い込んでいた。そんなところにフイッと入ってこられたので、逆にこちらが驚いた。その中のお一人が、「あっ、リンネ!」、「あっ、パスツール!」、「うわっ、ルーベン!」などと、絵本に出てくる科学者の名前を言いながら、それぞれの業績や実験の内容をお友達に説明されていた。前回展でも科学を専門にされている方が来て下さったりしたので、その時は科学者の名前などが会話に出てくることもあったが、ここまで嬉しそうに声を上げられているのには、良い意味で驚いた。私もこの絵本を描くにあたって初めて知った人ばかりだったので、「お主やるな!」と心の中でつぶやき、思わず「科学がご専門ですか?」と声をかけたところ、「いいえ、科学が好きなだけです」とのことだった。その後もそれぞれの絵を喜んで観て下さった。本当に有り難うございます。

◆どのように情報を届けるのか?

 このホームページの更新状況を観ておられる方はよくご存知だと思うが、この個展の開催前まで、ずーっと年賀の絵がトップページにあった。その位、更新無精なのである。言うに及ばずSNSも同様で、本当に更新する才能が無いなぁと、ため息が出る。なのでどうすれば投稿を見て下さるのか、いまいちよく分かっていない。ハッシュタグというものを付ければ良いとは以前に聞いていたが、付け方が悪いとそんなに閲覧数は伸びない。よく世間では万バズとか言うけれど、端から見て凄いなぁと思っていた。学校の生徒に聞いてみると、#イラストと入れると観てくれる人が多いよ、と聞いたので、絵本や一コマ漫画の投稿でも、それを入れるようにしていた。今回は、#科学と入れてみると、いつもに比べ閲覧数が多いように感じた。科学以外にも#アートスペース柚YOUと、画廊のハッシュタグも入れているので一概には言えないが前述の女性も科学が好きな方な訳で、そういう方面の若手の方や、図書館、科学館などの情報に興味を持たれている方に届けば、観に来て下さる方も増えるのかな?という感想を持った。ハッシュタグが無ければ、只々タイムラインの彼方に埋もれていくだけなんだろう。ここら辺に関しては本当に素人なので手探り状態なのだが、ぼんやりとどこに届ければ良いのかがようやく分かってきたような気がしている。絵のことだから、絵に関係する方にのみ発信するのでは無く、むしろそれ以外の方に発信した方が良いと思った。これからはそういう発信も試してみようというのが今回の個展で学んだ教訓だ。

◆これも楽しい

トークSHOW参加の入室証(実験室に入るという意味で入室とした)

 今回のトークSHOWは、このホームページで参加の申込みをして頂いた。申し込みフォームを作ってページに設置したり、送信ボタンを押すとこちらと先方にメールが自動で届くようにした。またこちらに申し込みメールが届くと、Claris FileMaker Proで作成した名簿データベースで参加者を管理し、自動でシリアルナンバーや参加日、人数等が記入された上掲の参加証画像が作成される。またデータベース上のメール送信ボタンを押すとメッセージが入ったメールが自動で作成されるようにした。以前からデータベースソフトは経理などで自作していたりしたので親しんではいたが、今回久しぶりに名簿を作ってみた。ボタンを押すと自動で処理する様を観るのはとても楽しい。そう言う仕掛けをするのが好きなのかな?データベースを作り上げた労力と実際の参加人数は反比例しているが、実はこれも楽しいのだ。

◆次回は来年開催!?

 次は第3巻の原画を展示する原画展③を来年開催の予定だ。去年が1巻目、今回が2巻目なので、残りの2冊分の原画展を引き続き開催するというお話しを画廊側と話させて頂きご承諾を得た。本当に有り難い話である。

 ついてはまた進展があればこのホームページや各種SNS(このページ下部にもリンクがあります)で発信していこうと思うので、どうぞよろしくお願いします。ハッシュタグと更新無精を克服していきたいと思う。…当面は未更新が続くかも知れないが、悪しからずご了承下さい。

たなべたい記

本日のトークSHOW、まだまだお席があります!

原画展もあと3日。今日と明日は午後4時より絵本裏話トークSHOWを開催です。本日は参加者が少なく困ってます。「当日だけど行ってやろう!」という勇者の方、是非ご検討下さい!

制作の裏話、技法の実演、資料や下絵の現物、参考画像等の資料もお見せします!よろしくお願い致します!!

お申し込み、詳細はこちらから

名義後援について

◎後援依頼という新しい試み

 今回自身の新たな試みとして、この絵本の原画制作に欠かせない画材のメーカー様三社に名義後援のお願いをしてみた。今回打診をする前から、有り難いことにご縁があり、無名の私の申し出でも、快く快諾を頂いた。個人の展覧会に企業の後援って頂けるのだろうか?とドキドキしながらのお願いであったが、本当に有り難いこだと思う。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

◎欠かせない三つの画材とは?

今回お願いをした画材メーカー様は下記の通り。

※上記の各製品名は、それぞれの製品紹介ページにリンクしています。

※以下の文中の会社名は敬称略で記します。

いづみN紙

特種東海製紙株式会社様製 いづみN紙

 この原画は、付けペンとインクで輪郭線を、彩色は主に透明水彩絵の具で塗っている。(ごく一部に不透明水彩やアクリルカラーインクなども使用している。)経験のある方はご存知だろうが、ペンの引っかかりが少ない紙(ケント紙など)は、逆に水彩絵の具がのりにくい。反対に水彩絵の具の塗りやすい紙(マーメイド紙やキャンソン紙など)は、表面がザラザラとしているため、ペンで線をひくと紙に引っ掛かってしまい、線が描きにくい。以前、大学の恩師が作品でイタリア・ファブリアーノ社製の版画用紙を使ってられたのだが、これはペンも水彩も良い感じに使えるのは知っていた。しかしこの紙の弱点は、消しゴムをかけるとすぐに毛羽立ってしまうことだ。今回の絵は、恐らく清書の段階でも訂正が入ったりする可能性が高いと考えると、すぐに毛羽立ってしまう紙は使えない。大学在学時に良い紙はないか?と探していて、学内の購買部(画箋堂さん:京都では有名な画材屋さん。河原町五条にあります。)で色んな紙を試していたときに見つけたのが、ファブリアーノと同じ版画用の紙で日本製のいづみN紙だった。これは付けペン、透明水彩、消しゴム、すべてOKの、私にとってみれば願ってもない紙だった。(当時のカートゥーン作品制作では、好んでこの紙を使っていた。)

極品隈取筆

株式会社中里様製 極品隈取筆

 大学在学時から、大学の恩師の紹介でイベントなどでの似顔絵執筆を始めた。かれこれキャリアは30年以上となる訳だが、恩師の最初の教えやご一緒させて頂いた諸先輩方の画材の影響か、最初から色紙に和筆と墨、絵の具という形のまま今日まで来た。イベント席描きの似顔絵=色紙が一般的だったので、色紙に合う画材ということで自然にそうなった。

そこで、彩色に関して最初は(当然というか)彩色筆を使っていた訳だが、程なく隈取筆と出会った。髙島屋京都店でのイベントで隈取筆を使って描いていたら、髙島屋の宣伝部の社員で京都市立芸大の日本画を出られた方に、「隈取をそこまで使いこなすなんてたいしたもんだ」と言って頂けたのは嬉しい想い出だ。隈取筆というのは、売り場の説明書きに「ぼかしに使われる」と書かれてあっても、本来の使い方を正式に教わる機会のないまま、自分流に使い続けて30年余りが過ぎてしまった。今回のトークSHOW開催にあたり、ネットで本来の使い方を調べてみた。結果、普通に水彩をぼかすときに塗る塗り方だった。濃いめに水で溶いた絵の具をたっぷりと紙に置き、水だけを含ませた隈取筆で撫でるようにすると、溜まった絵の具と筆の水が溶け合わさって薄くぼかす、というものだ。

しかし私の隈取を使ったぼかしは、一般的なぼかし方とは全く違う。似顔絵の席描きで培った筆使いから出て来たクロスハッチング風ぼかしである。ここ最近、和筆で線を描くのは、鳩居堂の即妙筆がお気に入りだ。これは一番大きい直径の筆ですら、髪の毛位細い線がひける。太いのから細いのまで自在に描ける凄い筆だ。なので、当初は鳩居堂で隈取筆も買っていた。個人的に思う鳩居堂の筆の特徴は、命毛(筆の真ん中にあるハリのある一本の毛)の長さである。即妙はその命毛だけで描くことで細い線がひける。隈取筆も命毛がピンと出ていて、そこに周りの毛がまとまって描きやすいのだが、隈取筆を平筆のように平らにしたときに、その命毛が邪魔をして平らになりにくいのだ。描きやすい筆ではあるのだが、その点は不満だったので、どこかに自分の描き方にあった筆はないものか…と、近所の画材屋さんで筆を探していた際に出会ったのが、中里の隈取筆だった。中里の隈取筆は平らにした際に本当にフラットになるので広い面積を塗るときにとても塗りやすかった。そして中里の筆を調べていくうちに、「極品」というグレードがあることに気付く。早速購入して使ってみると、「上製」というグレードのものに比べて反応が全く違った。例えるなら、初代のガンダムでマグネット・コーティングする前と後という感じだ。不肖アムロの僕の反応を素早く受け止めてくれるマグネット・コーティング後のガンダムとも言うべき筆が、中里の極品隈取筆なのだ。(却って例えが難解になったかも知れません…)

アーチスト・パンカラー

ホルベイン画材株式会社様製 アーチスト・パンカラー

 大学生の頃に使っていた水彩絵の具といえば、もっぱらホルベインだった。赤い箱に入ったチューブ入りのやつである。大学2年でKBS京都テレビの番組用イラストの仕事を大学の恩師に紹介してもらい、これをホルベインの透明水彩絵の具で塗っていた。

時が経ち、画材の知識も深くなると、透明水彩絵の具も海外のものがあることを知る。ちょうど大学の恩師が、ウィンザー&ニュートンというイギリスの画材メーカーの筆を使い始めた時期だ。このウィンザー&ニュートンというメーカー、英国王室御用達で品質も凄く高い。当然お値段も…。筆なんかはコリンスキーセーブル筆の一番大きいシリーズ7というものが当時1本15,000円位していたと思う。そして透明水彩絵の具も凄かった。頑張って購入して試してみると、水で薄めたときの色の発色の違いに驚かされた。

当時のホルベインのチューブの絵の具の赤を多めの水で薄めてピンクを作るとする。その発色と、ウィンザー&ニュートンの赤い絵の具を薄めて作ったピンクを比べると、輝きが全く違ったのだ。品質は使っている材料に比例するだろうから、一本の単価が全く違う二製品を比べるのは酷というものだとは、今になって思うが、当時の私にとってこの発色のよさという衝撃は凄いものがあった。

そんな経緯でウィンザー&ニュートンの筆と絵の具(チューブと固形の両方揃えてしまった…)を使うという時代が長く続いたが、和筆というものを改めて使ってみて、西洋の筆に比べて値段が安いものでも、西洋の筆以上に質が良いことに気付いた。(ここら辺はまた別の機会にお話しします)。日本製品の質の高さということが方々で聞かれる昨今、自分自身、画材のメーカーも見直してみようというマイブームがあった。席描きの似顔絵の際に、固形水彩絵の具は持ち運びの点でも便利なので好んで使っている。これまでもっぱらドイツのペリカンの固形水彩絵の具をメインに使っていた。これも質は高く、値段もお高い。何故ウィンザー&ニュートンの固形絵の具を使わないかというと、ペリカンの固形絵の具はウィンザー&ニュートンのそれより倍以上の量があるにもかかわらずお値段が同じくらいだったからだ。絵の具一つ一つがそこそこのサイズ感なので、現場での取り回しがとてもしやすい、野外スケッチ向きとでもいえるような安定感がある。

そもそもペリカンを知ったきっかけにも想い出がある。京都市立銅駝美術工芸高校に通っていた時、皆勤賞をもらう機会があった。その賞の記念品としてペリカン固形透明水彩絵の具12色セットをもらったのだ。最初は使いあぐねていたけど、似顔絵の際に便利だと気づいて以来、ペリカンが定番となった。(当時もらったモデルは、絵の具のサイズがウィンザー&ニュートンと同じ位のサイズだったが、その後のリニューアルでお得感溢れる大容量サイズへと進化した。そんな経緯で、似顔絵に行くときはペリカンの固形絵の具を使っていた次第である。

 そんな折(10年程前)、京都岡崎にあるみやこめっせで画材フェアが開催されていた。そこに観に行った際にホルベインのブースで見つけたのが、アーチスト・パンカラーだった。これはそれまでのホルベインの固形水彩絵の具と比べ値段が格段に高いもので、これは発色が良いかも!!と思い購入してみた。試してみたら、ウィンザー&ニュートンと同じように、輝くような発色の絵の具だったので、これは凄い!と喜んだ。

◎絵本制作にあたって

 今回の仕事の依頼があった際に、手書きで描くということは決めていたので、どういう画材を使って描けば一番効果的なのだろうか?と熟慮した結果、今回揚げた三つの画材を中心に使おうと決めた。すぐに毛羽立たず付けペンも水彩も使える紙と、発色の良い絵の具、自身で編み出したクロスハッチング風ぼかしを可能にする筆、この三つのうち、一つ欠けても今回の絵は成立しなかった。そんな画材に深く感謝しているし、この凄さを少しでも多くの人に伝えたいな、と思い立ったのが、後援をお願いしたきっかけだ。会場には製品紹介のパネルと共にメーカー様のご提供で実物の画材も展示している。またトークSHOWでは、これらの画材をどう使って描いたのか、簡単な実演も交えてお話ししたいと思っている。是非会場で、またトークSHOWで、私の熱い想いに触れて頂ければ幸いです。

たなべたい記

※2025/11/10 訂正
文中で「隈取筆」のことを多数「熊取筆」と表記していました。正しくは「隈取筆」です。ここに訂正すると共に、株式会社中里樣に謹んでお詫び申し上げます。

たなべたい個展・絵本「潜入!天才科学者の実験室」原画展②が始まりました!

 10月25日より、たなべたい個展・絵本「潜入!天才科学者の実験室」原画展②が始まった!初日は夕方前から生憎の雨模様となってしまったが、お越しになった方はじっくりと作品をご覧になっていた。有り難うございます。

先日、額装している時、壁面に展示している時、改めて間近で作品をマジマジと見ることになる訳だが、視力の落ちた今になって改めて観てみると、我ながら本当に細かいことしてるなぁ〜〜と、若干苦笑してしまう。本当に細かく細かく様々なものを描いているので、是非、会場に足を運んでご覧になって下さい。本当に、虫眼鏡か老眼鏡はご持参頂いた方が良いですよ。

今回は、絵本に出てくる案内役のキャラクター、Dr.シュガー&COBONちゃんの大きいパネルを作成した。是非お越しになって一緒に写真を撮って下さい。今回はSNSで皆さんに広く宣伝して頂きたいので、会場風景や作品の撮影もOKです。

在廊日や追加情報は特設ページで随時更新していますので、併せてご覧下さい。どうぞよろしくお願いします!!

たなべたい個展・絵本「潜入!天才科学者の実験室」原画展②を開催します!

佐藤文隆先生ご逝去

 この絵本の編著者、佐藤文隆先生が今年9月に逝去された。逝去される数日前まで、普通に展覧会のことでメールのやりとりをしていただけに、突然の訃報に只々驚き、残念でならない。
この絵本の狂言回しであるDr.シュガーとCOBONちゃん(上の画像の博士とロボット)。台本では、名前はただの博士だった。名前をどうしようとなった際に、佐藤先生の読みが「さとう」だから「シュガーと名付けたら?」と著者の皆さん(佐藤先生・くさばよしみさん)や出版社に提案した訳だが、そんな悪戯も大らかに許して頂いた。
一コマ漫画もご自身で描かれたりするなど、私の専門分野にもご理解を頂いていて、この絵本で一緒に仕事が出来たのは本当に光栄だった。発刊時期がちょうど中国武漢に端を発するCOVID-19が猛威をふるっていた時期とも重なり、絵を仕上げた後に集まってお話しなどがあまり出来なかったのが残念だった。改めて、佐藤先生のご冥福を心よりお祈りします。

今回は第2巻の原画を中心に展示します

 トップページでもお伝えしている通り、昨年5月に引き続き絵本原画展を開催します。
 今回は全4巻中の第2巻の原画が中心の展示となる。
第2巻は「生き物はなぜ生まれた?」をテーマに5つの章で構成されていて、各章の内容は下述の通り。
第1章は「生き物がいっぱい」で、植物オタクのリンネの実験室を、第2章は「水と空気と太陽で生きている」で、教え上手な実験オタクのリービヒの実験室を、第3章は「体は化学工場だ」で、初めて人体を解剖した(DMに先のように記述していましたが誤りでした。正しくは右記がハーベイの実績です。謹んで訂正致します) 血液の動きと心臓の役割を明らかにしたハーベイの実験室、第4章は「命はこうして受けつがれる」で、DNAでノーベル賞を受賞したワトソンとクリックの実験室を、第5章は「みんなで生きる」で、探検大好き人類学者の今西錦司の実験室だ(今西錦司さんは京都のご出身である)。各章を俯瞰してみてみると、編著者・佐藤文隆先生の体系的な組み立てがよく伝わってくる。下記はDMから抜粋した5つの実験室の画像(部分)。

 時代も国も違う中、一つ一つの道具もしっかりと調べて描いている。実は調査・検索の沼にドップリとはまってしまったのが、この第2巻。絵を描く前の調べものに時間をかけ過ぎて、幾度となく著者のくさばさんから催促が届いていた。そんな中でネットを駆使して奇跡のような発見もあった。

 その辺りの秘められたお話しは、今回、二度開催される「絵本裏話トークSHOW」(事前申込み制・定員15名様・有料330円[税込]・実験ノート付き)にて披露したいと思う。絵本になった表面には出てこない、あんななコトこんなコト、是非聞きに来て下さい。今回は、展覧会の公式グッズである実験ノート(価格:¥330-)がついてきます。…つまり、実験ノートを買って頂くと無料でお話しが聞ける訳です。著者のくさばさんからは絵になる前のお話しが、私からは画材の話や、絵作りのあれこれを、資料や映像などを含めてご紹介!

お申し込みは▶コチラか、↓下のバナー画像から遷移する特設ページからお願いします!

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